顧客体験向上と社内業務イノベーションを同時実現する
業務改革リーダー
Japan Region SVP (Senior Vice President)
朝比奈 純
■日本市場における新挑戦
i-PROは独立前より、国内において当時部門が属していたパナソニックコネクト株式会社を通じてNo.1シェアを獲得していました。2019年の新会社発足後も販売、マーケティング機能がパナソニックに残置され、2020年度まではパナソニックコネクトとの独占的な契約関係のもと、従来のビジネススキームを継続していました。
しかし、より高い成長を志向し、オープンポリシーの元、既存ビジネスでは未着手の領域を探索し、独自に市場開拓を進める方針を定めました。当時、私たちには、国内向けのセールス、マーケティング機能がほとんど無く、専任のセールスは僅か1名からのスタートでした。セキュリティカメラのメーカー営業は、営業や現地調査の同行などのきめ細かいサポートが求められ、労働集約的であり、人員の投入量や拠点数と販売量が比例する構造です。
■デジタル活用を前提とした新組織の立ち上げ
そのような状況下で、私たちはDXをフル活用して、労働集約から脱却したセールス・マーケティングプロセスの導入と、スピーディーな顧客サポートをコンセプトに“JapanDX“というプロジェクト名で、ほぼゼロからセールス、マーケティング組織を構築し、効率的にオペレーションする為のITとプロセスを整備してきました。
例えば、新規顧客や協業パートナーの獲得は、WebやSNSなどのメディアを通じたPull型にシフトし、人をかけずとも十分な量を獲得できるようにしました。マーケティングオートメーションツールを活用することで、将来的な顧客候補に対しても、定期的にメルマガやWebによるコンタクトを通じて、適切な商談タイミングの把握や準備が出来るようになり、セールスの効率が大幅に向上しました。
このように、DXによるマーケティングプロセスを通じて、Webを通じた流入から販売パートナーになっていただいた企業からも、続々と販売が上がるようになり、近年は前年比200%以上のペースで、販売が増加するといった正のスパイラルになっています。これらの取り組みは、労働生産性の飛躍的な向上に寄与しており、2024年度上期時点では、独自の市場開拓における、部門人員あたりの販売額が前年の約2倍に跳ね上がっています。
一方で、“JapanDX“の取組は、顧客の業務プロセスのスピードアップにも寄与することも目的としており、ポータルサイトを通じて、機器選定や見積作成を効率化するWebツールの提供を開始しました。今後は販売パートナーの特性に応じた商品・技術情報提供を拡充する計画です。
■顧客の期待を超える価値提供を目指す
私たちは、DXの力で、業界でも生産性高く、顧客・販路を開拓する組織づくりと業務プロセスのロールモデルを作れたと自負しています。今後も私たちはオープンポリシーとタイムベース競争の方針の元、顧客の期待を超える価値を提供し、成長をし続ける事を目指します。